【色彩感覚】ラムネのセロハンと懐中電灯で影遊び【西川教授解説】
部屋を暗くして、懐中電灯の光を白い壁紙に当てています。よく見ると、色がついている部分があります。黄色いセロファンを懐中電灯にかざして、色がつくことを楽しんでいるようです。よく見ると、近くには違う色のセロファンが置いてあります。どんな映り方になるのかワクワクしていることでしょう。
どこにでもある、5歳の子どもがくりひろげる、普通の風景だと大人は思ってしまいますが、実はいろいろな力を駆使してこの遊びを行っているのです。暗くすることで、懐中電灯の光がより輝くことを知っています。白い壁に映すことで、より光や色が際立つことを知っています。セロファンを重ねることで、光に色が着いてくることに気づいています。レンズからどの程度の位置で重ねると色がよりはっきりするのか、考えているのかもしれません。いろいろな色を試そうと、準備もしています。どこでこれだけのことを得たのでしょうか。
先日、1歳児クラスの子どもたちの様子をみていました。部屋の窓際で、人形を寝かせたりごちそうを運んだりして遊んでいました。その中の一人が、ままごとコーナーにある半透明の板を手に取り、窓に貼り付けた板を通して差し込む光を不思議そうに見ていました。するとそこにいた何人かが、窓にいろいろなものをかざして、透き通ったり影になったり、ときには光に色が着いた影を見つけては楽しんでいました。偶然にみつけたことが遊びになったようです。こうした経験が、子どもの中に蓄積されていくのです。
5歳になると、今の遊びをもっとおもしろくするために、ため込んだ経験の中から何を使おうかと選択・活用し、大人からいわれなくても、自分で考え行動できるようになります。子どもたちは、自分の心が揺さぶられることがあると、その遊びに没頭し何度も何度もくり返します。こうした体験を積み重ねていく過程で、物事の性質や道理を経験的に獲得していくのです。こうした経験の中で獲得することは、まだまだ未熟で未分化なことばかりです。しかし、こうした経験が次の遊びの中で活かされ、子どもの遊びを豊にしていくのです。遊びを豊かにするということは、子どもの人生を豊にしていくことでもあるのです。
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