ラムネの包み紙で自作ランプシェード!小学校高学年【西川教授解説】
なかなか緻密で繊細なランプシェードです。小学校高学年(11歳)になると、ここまで作り上げることができるのですね。これなら部屋に置いても、素敵なインテリアとして存在感を発揮すること間違いなしです。
このランプシェードづくりには、いろいろな技法や知識がちりばめられているのがわかります。まず、スクラッチという技法です。「スクラッチ」とは、色紙を削ることで絵を描くアートのことです。下地の色とりどりの色彩の上に黒を重ねることで一枚の色紙とし、表面を削ることで下地が現れ絵柄となります。下地には自分の好きな色を用いており、完成後の絵は、ランプの光に映し出されて、幻想的な美しさも感じます。また、色の選択や使い方もなかなかのものです。同系色をとなりに配置したり、反対色を意識して配置したりと工夫を施しています。また、草原を駆け抜ける動物のイメージを表現し、一つの物語として構成しようという工夫も施されています。このランプシェードには、11歳がもつ様々な知識や技法、想像力が統合されてここにあるのです。
では、こうした能力は、年齢を重ねることでできるようになるのでしょうか。小学校の図画工作や国語等の教科学習で勉強したらできるようになるのでしょうか。もちろん、先に挙げた知識や技法は、小学校で勉強することかもしれません。しかし、小学校入学以前に、たくさんの遊びの経験をとおして、こうしたやり方を試していたのではないでしょうか。「スクラッチ」という名前は知らないけど、色を重ねて、偶然に削られた所から色が現れたのに驚き、何回も試行錯誤をくり返しながら遊んでいたのかもしれません。同系色や反対色の関係を知らなくても、どういう色の組み合わせがきれいなのか自分なりに試していたのかもしれません。
幼児期の遊びには、くり返し試してみる、そのプロセスで多くの発見があり、豊かな経験として蓄積されていくのです。その経験は人生のいわば栄養となり、今後花を咲かせ実を結ぶための大切な基盤となっているのです。存分に遊び込む幼児期の姿こそ、人生に必要な知恵となる原風景なのです。
過去の西川教授解説記事 一覧
ラムネを口にほおばる!自立心や探求心の芽生え!
ラムネを色分け!色彩感覚×思考力と判断力
子供にとってはトキメキ、大人にとってはイタズラ!?
折り紙を通して巧緻性が育まれて脳が活性化
ラムネを積むことで次々発見トキメキ!
ラムネのセロハンと懐中電灯で影遊び
子どもの遊びは無限大!Instagramで『ラムネいろいろ工作部』作品お待ちしています!
ラムネいろいろInstagram←コチラから
#ラムネいろいろ工作部でみなさんの作品投稿お待ちしています!