【五感】折り紙を通して巧緻性が育まれて脳が活性化【西川教授解説】
ラムネ菓子が包んであるセロファンを利用して、お菓子箱をつくり、それに入れ直すなんてなかなか大人が発想できないことですね。でもこうしてみると、ラムネのおいしさがひときわ際立つようにも感じます。子どもの発想はいつも素敵です。
このお菓子箱よく見ると、とても細かい折り方がされています。指先の巧緻性の高さが伺えます。それと同時に、これを完成させるための手順の理解、高い集中力など、子どもがもつ様々な力をフル稼働させているのでしょうね。お菓子は食べるものであることは間違いありませんが、包み紙や空き箱など、子どもにとっては食べること以上に魅力ある存在なのかもしれません。
先日、大学のゼミで卒業論文に関する論議をしている時でした。自分の研究テーマをどう描き出すかというとても難しいテーマでした。自分の興味・関心のあるキーワードから、関連する言葉を紡ぎ、テーマとしてどうデザインするかを数人で話し合っているその時でした。誰よりも多くの発言をし、客観的にテーマを構築する事ができているゼミ生の前には、ラムネ菓子のセロファンでつくった折り鶴が数羽、並んでいるのに気づきました。別のゼミ生がそのことに気づき、その丁寧な仕上がりにびっくりしていました。鶴をつくった学生は、こうして鶴を折る作業で、自分自身の考えをより深め、再構築することができたと話してくれました。
指先の動きは、遊びの中ではなくてはならないもの
どろだんごづくりやシロツメクサのかんむりづくり、毛糸を使ったマフラーづくりやケーキづくりなどなど…。遊びを通して、巧緻性が育まれるとともに、繊細な動きをコントロールするために脳が活性化することはゼミ生の姿からも理解できます。最近は、指先を巧みに使うことから解放され、ワンタッチ・ワンプッシュ、時には非接触で事が行われることも少なくありません。トキメキから出発する幼児期の自発的な活動である遊びは、指先から脳まで、すべてを育んでくれているのです。
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