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2021.08.11

【作り手】いつまでも残すべきお菓子。 目指すは懐かしいのに新しいラムネです。

いろいろインタビュー

相生工場 伊藤辰男 Itoh Tatsuo

ラムネ製造機と共に愛知から兵庫へ

小さい頃からお菓子好きで、お菓子メーカーで働くことは天職だと思っています。気づけば春日井製菓一筋40年になります。ラムネの製造には、名古屋の工場で3年担当し、相生工場の立ち上げに伴って異動。名古屋の工場で使っていた機械を、相生へ移設したため、主に立ち上げ時の機械の整備を担当しました。機械にもそれぞれ“クセ”があるんです。包装フィルムの微妙な位置のずれが生じるなど、移設に伴う微調整が必要でした。初めて愛知県を出た私と同じように、機械も相生の土地に少しずつ馴染んでくるように調子が上向いていき、今では順調に稼働しています。

人にしかできない役割がある

名古屋の工場とまったく同じ機械、まったく同じ原料で作っているのに、微妙に固さや食感の違いを感じることがあります。ラムネの製造工程はいたって単純です。それだけに、小さな変化でも影響するのではと考え、思い当たったのが、名古屋と相生の水の違いです。こうした微調整をするのも私の役目で、頼りになるのは自分の感覚であり、工場内の仲間の意見です。そういう意味で、相生工場で作られるラムネは、新しく立ち上がった相生工場の仲間で作り上げたものなんです。

チームで考えチームで作ってきた相生工場のラムネ

この工場での自慢はチームワークの良さです。大粒の打錠機を新規に導入して1年半。導入当初は不良品も一部出ました。そんな時は担当者が原因と思われる部分を動画で撮影し、それをチーム全員で検討、分析し、解決方法を考える。その積み重ねが、不良品を減らし、味や口溶けにこだわり抜いたラムネの完成へ導いてくれたのだと思っています。ラムネはこれからも守り続けていくべきお菓子です。不易流行で、守るべき部分は大切に、一方でさらなる口溶けの良さを追求するなど、新しい要素を加え、ただ懐かしいだけじゃない、新しいお菓子を目指していきたいと思っています。