【子どもと遊ぼう その1】最近注目の「遊びと非認知能力」について【幼児養育専門家インタビュー】
なぜ、子どもに「遊び」が必要なの?
「非認知能力」という言葉を聞いたことがありますか?
今、幼児教育で注目されているキーワードです。
文字や計算といった、目に見えて数値化できるものを「認知能力」というのに対し、非認知能力は素直さや意欲、自制心、謙虚さなど目に見えない能力です。
幼児期に、この非認知能力を身につける教育を受けた子どもは、受けていない子どもと比べて、学歴や大人になってからの収入、経済的地位が優れているという、アメリカで40年以上にわたる追跡調査による研究結果があります。
(岐阜聖徳学園大学・岐阜聖徳学園大学短期大学部 教育学部教授 西川正晃先生)
「非認知能力」って目に見えないから、結局何なのかわからない…。
わかりやすく言い換えると「向かっていく力」です。
子ども自身が興味のあるもの、不思議だと思うものに、自ら向かっていく。その力です。特に今の子どもたちは、加速度的に変化する社会の中で、未来を切り開いていかなければなりません。その力の元となるのが非認知能力なのです。
そしてこの非認知能力を身につけるには、幼児期が最も大切な時期と言われています。
つまり幼児教育で、いかにこの力をつけていくかが重要であり、そのためにまず何が必要か。それが「遊び」です。おもしろそう、やってみたい、どうなるんだろう…遊びには、こうした自ら向かっていく力が働きます。「遊び」とは、与えられたことをやるのではなく、自由感にあふれているものです。自分で考え、自分で楽しさを見つけ出す。遊びを通じて、子どもたちは自然と非認知能力を伸ばしているのです。
今回はここまで。
【子どもと遊ぼう その2】は『子どもが「向かっていく力」をつける遊びとは?』です。
お楽しみに!
西川正晃教授の略歴
■所属
岐阜聖徳学園大学教育学部
■教育学部担当科目
保育原理、保育内容総論、保育内容演習(表現)(環境)、幼児教育学、保育実習ⅠⅡ など
■略経歴
研究テーマは幼児期の遊びと学び・保育者養成、保幼小連携など。どのテーマも、保育実践を基盤としている。現在、保育実践を語る会「土曜の会」を月一回主催。おてて絵本普及協会岐阜県支部事務局(西川研究室)
■所属学会
日本教育方法学会、日本保育学会、日本乳幼児教育学会、全国幼児教育研究協会、日本保育者養成教育学会