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黒あめバトンキャンペーン 「深くてやさしいエピソード大賞」の審査員が語る〜絵本と黒あめとやさしい記憶〜

コロナ禍真っ只中の2020年9月に初めて開催した「 黒あめバトンキャンペーン ~ 深くてやさしいエピソード大賞」。おかげさまで第3回もたくさんのご応募の中からすばらしい特賞作品が決まり、当選者さんに向けたハードカバー製本(非売品)が完成したことを記念して、第3回から審査員としてご協力いただいたふわはねさんのご自宅兼アトリエにて、このキャンペーンを振り返る座談会を行いました。

壁一面にずらっと並ぶ絵本と、窓から降り注ぐやわらかな光と、ふわはねさんの相棒ブックくんの愛らしさに包まれて幸せなひと時。その様子を、ライターのましもさとこさんに記事にまとめていただきました。

<写真右から>

ブックくん:ふわはねさんの愛犬

ふわはねさん:絵本講師・JPIC読者アドバイザー・子育てアドバイザー・ふわはねえほん主催。絵本の作り手と読み手、親と子を、人と人をつなぐ絵本のつなぎ手として絵本講座などを主催する。

ドンハマ★さん:えほん未来ラボ代表。大人が楽しめる絵本会などイベントを主催。一冊の絵本を人から人へとつないでいく「旅する絵本♡」などのプロジェクトを企画。

ましもさん:フリー編集者・ライター。「心の声を聞き出すインタビュー」をモットーに、これまで300人以上にインタビューを行う。あんこと温泉をこよなく愛する、二児の母。

豆彦:春日井製菓株式会社 おかしな実験室室長。この 黒あめバトンキャンペーン の生みの親で当記事の写真担当。スナックかすがいのマスターという別の顔も持つ。

(※以下敬称は省略します)

 

黒あめバトンキャンペーン とは?

 

豆彦:  黒あめバトンキャンペーン とは、黒あめを舐めた時のような、「深いやさしさ」を感じるようなエピソードを募集し、そのエピソードをもとに、プロの絵本作家さんが絵本作品を作り上げるというものです。2020年にスタートして、第1回目は応募総数が1,407編、2021年の2回目には1,040編、そして2022年の3回目は商品パッケージ上での告知がなかったにも関わらず760編ものエピソードが寄せられました。このうち郵送でも180編送られてきました。ネットが使えない方が娘さんから教えてもらって手書きで送ったという方もいらっしゃいました。

各回、特賞を受賞した4つのエピソードが、著名な絵本作家さんの手で絵本というカタチになって、受賞者の方々の元に届けられました。

3回目となった今回、ふわはねさんとドンハマ★さんに選考に参加していただいたので、感想なども含めてお話を伺いたいと思っています。

ドンハマ★:応募数としては結構多かったんじゃないですか?

 

豆彦:はい、想定を遥かに超えていて、僕らも正直驚きました。というのも 黒あめバトンキャンペーン は応募の条件として、400字詰のエピソードを書かなければならないんですよね。近年は、応募プロセスの簡便さを追求するキャンペーンが多い中、わざわざ400字のエピソードを書くのはハードルがとても高いと思うんです。しかも400字以上は打ち込めないようになっていますので、ちゃんとまとめなければならない。それだけの思いを込めて書いていただいているので、こちらも真剣に向き合いました。もちろんスタッフ全員で読みましたし、選出にも時間をかけました。かなり大変でしたけど、そこはこのキャンペーンの軸ですからね。お一人何回でも応募できるようにもしたんですが、これまででは、60代男性の方がお一人で17編送ってくださったのが最多です。

ふわはね:それはうれしいですね!

 

豆彦:数もそうなんですけど、応募用紙に書き添えてくださるエピソードがまたグッとくるんですよ。

「この 黒あめバトンキャンペーン のおかげで、昔の思い出について確かめたいと思って、家族に話を聞きました。そこで思い出話に花が咲いて…」
「離れているきょうだいと母との思い出を語り合いました」
「母が好きだった料理を思い出して、作ってみました」

などなど、エピソードを読みながら選考する社員もジワっときていたようです。

何気なく過ごしている毎日の中で、ふと立ち止まって心があったかくなる瞬間を届けることができているのかなと思うと、このキャンペーンをやってよかったなと思っています。

ふわはね:言葉には体温がありますからね。ところで、特賞はどうやって選んでいるんですか?

豆彦:まず春日井製菓の社員で構成される事務局メンバーが全応募作品を読んで、30編まで絞り込みました。その後、ふわはねさんとドンハマ★さんに10編を選んでいただいて、4人の絵本作家さんにお渡しします。作家さんには、自分が絵本にしたいと思う 深くてやさしいエピソード を第3希望まで出していただいて、数の多かった4編が作品になります。

ふわはね:とても有名な絵本作家さんがたくさんいらっしゃって、素晴らしいキャンペーンだと思いました。

ドンハマ★:実は今回、お願いする絵本作家さんのリストアップにも参加させてもらったんです。絵本の世界を知っている方からも「なるほどこの作家さんね」と思われるような方で、この 黒あめバトンキャンペーン のキーワードとなる“深い優しさ”のようなものを、自分の切り口で表現されてきて、新しいことにトライすることが好きそうな作家さんにお願いしたいという想いがありまして。嬉しいことに、今回担当された作家さんは、全員がお願いしたいと思っていた方でした。

 

豆彦:そうだったんですね。ありがたいことに、私たちの趣旨に賛同してくださった作家さんは、みなさん著名な方ばかりです。一般の方でもよくご存知の作家さんもいらっしゃいます。
この“絵本づくり”はちょっと変わっていて、送っていただいたエピソードがそのまま絵本になるわけではありません。入賞された方が作家さんを指名することもできません。

受賞された方には、作家さんと事務局メンバーによるオンライン会議に参加していただき、応募時の400字のエピソードの奥にある、応募者の方の思いやストーリーをヒアリングさせてもらいます。そこからは作家さんのクリエイティビティにすべてお任せ。受賞者の中には、「私がお話したちっちゃなエピソードが、こんな風に絵本の中で表現されていて、驚きと感動で泣いてしまいました」とお話してくださった方もいらっしゃいました。創造力溢れるプロの作家さんとのやりとりまでも思い出にして届けられたら嬉しいなぁと。

第1回、第2回の作品を読んで

ふわはね:選考に携わっていなかった第1回目と2回目について、ありのままの感想をお話ししますね。まず第1回目ですけど、最初に赤江さんの朗読を聞いてから一作ずつ読む。これを繰り返しました。お世辞を言うわけじゃないんですけど、一言!どれもすごく良かった!

 

すべてが現実のお話だからこそ、胸に響くんですよね。そして400字の言葉がこんな風に絵本の世界で羽ばたいていくんだと。あと、第1回目を経て、第2回目はグッと進化しましたよね。特に2回目に作家さんのメッセージがあったのも良かったですね。作家さんのコメントを読んだときに、この部分に思いを馳せて絵本にしたんだと読み手にも伝わりますから。普通、読者にはそこまでわからないですよね。私が大事にしたいのは、実はこの部分なんです。作家さんの想いが少しでも伝われば、読み手も絵本への想いが深まる。そういう心に残る部分を伝えていきたいというのが、私の活動の原点なんです。だからこそ響いたのかもしれません。

あと、展開の方法がいいですよね。まず絵本になった作品があって、受賞者の方のコメントが続いて、投稿時の400字のエピソード原文。そして最後に作家さんからのメッセージで終わる。この順番がいいんですよね。こういう話がこんな絵本になりました、ではないのがいい。この展開があるから、あれ?ジャムパンじゃなくてクリームパンになっているのはなぜ?と、心に引っかかったり、こう表現したのはこのエピソードを伝えるためだったのか!と納得したり。

普通の絵本にはない、“想像できる部分”があるのはおもしろいですよね。

 

「人はすべてそれぞれの物語を生きている」と言う言葉あります。もしかしたら人生の中のたった1日の出来事かもしれないけど、心にすごく残っているものがあって、今回のキャンペーンを見た時に、黒あめの味を想像したら何となくやさしい気持ちになって、ふと思い出したことを書いて応募した、という感じなんだと思いました。

実は最初このキャンペーンのことを聞いたとき、応募者がかなり詳細に絵本の内容を伝えて、それが絵本になるんだと思っていたんですけど、たった400字なんですね。400字ってめちゃくちゃ短いですよね。おそらく記憶の中にあるものをギュッと凝縮して400字に書いて、絵本作家さんにインタビューしてもらうことで、そこから想いを少しずつほどいていってもらっていたんだと思うんです。そして最終的には作品が紙の絵本にもなっているなんて。受賞した方にとってはこんなに嬉しいことはないんじゃないでしょうか。

豆彦:はい。本屋さんに並ぶようなハードカバーの製本をして、お送りしました。受賞者の方からは、「こんなにしっかりした本になるとは思っていなかったので驚きました!」と喜んでいただいています。

ふわはね:それは嬉しいですね。400字の言葉を絵本にしちゃう作家さんのクオリティの高さに、あらためて感心しました。朗読も聞きましたし、WEBでも見ましたけど、おそらく紙の本で読んだら、自分の中にあるもので、気づいていなかった違う部分に心が動かされるんじゃないかと思います。

ドンハマ★:私は絵本愛好家みたいな立場なんですけど、第1回、第2回の全作品を見たときに、号泣しそうになったとか、とんでもなく心を打たれたとか、そういうことまではありませんでした。普通に心温まる作品が8つある。そんな感じですね。もちろん読み込むほどその世界観に入っていくし、赤江さんの朗読を聞くとまた入っていける感覚はあるんですけどね。

でもじゃあその程度のものなのか、と言えば、そうではないんですよ。作品にプラスされた部分がすごいんです。関わっている絵本作家さんと、元のエピソードの体験者やその方の周囲にいる人たちの、もう一つのストーリーがある。作家さんとの二人三脚みたいなものをすごく感じるんです。
絵を描く人と文章を書く人が違う場合や、編集者が間に入っている場合には、プロ同士の二人三脚や、時には三人四脚によって出来上がったものの味わいがあるんですけど、今回はプロ同士ではなくて、アマチュアの原作者が絡んでいる。それが逆にドキドキさせるというか、どうなっていくんだろうとワクワクしました。

このプロとアマのせめぎあいみたいな感じは一般に販売されている絵本では感じられないんですよ。絵本を超えた絵本と言えばいいでしょうか。今までにない絵本の楽しみ方、味わい方ができると感じました。

 

絵本作家さんにとってこの絵本づくりとは?

ドンハマ★: 今回出来上がった作品を見て、どれも4度美味しいというか、4回楽しめるものになっていると思います。1つ目は純粋に絵本として楽しむことができます。2つ目は、どんなエピソードが元になっているんだろうと思って読むことができます。3つ目はWebサイトを見ると、作家さんがどう思っているのか、どんなことを考えてこの作品をチョイスして作ったのかわかります。4つ目は出来上がった作品を見て、応募された原作者がどう思ったかわかります。この4つが複合して立体的な楽しみ方を生み出し、より味わい深いものになっている気がするんです。

もう一点は、絵本らしくない絵本だなと思ったことです。通常絵本作家さんは自分の過去の経験など、自身の中にある結晶のようなものを大きく膨らませて、一つの世界を仕上げているんです。最終的にどういう結末にするのか、ある程度イメージがあるものなんです。そこに編集者が関わって完成させます。
このキャンペーンの場合は、絵本作家さん自身の外にあるものから作らなければなりません。しかも編集者もいないので、最終的に10作品の中から作家さんが3つ選びます。その時は作家さん自身に少しは関係のあるものを選ぶと思うんです。自分が体験したことと似たようなエピソードとつながって世界が出来上がっていく。そこが作家さんにとってはこの絵本づくりのスタートラインです。

応募者の方のエピソードがあって、それを受け止める脇役ではなくて、ここから主役に切り替えてストーリーの中に入っていかなければ出来上がらないと思うんです。こうしたマインドリセットも含めて、他の作品にはない作り方なので、絵本作家さんにとって、大変ですけどすごくおもしろく、貴重な体験になるんじゃないかと思います。

 

ふわはね:第3回目を担当した作家の中垣さんも、「自分の原案じゃないものを作ったのは初めてで、すごく難しかった」と話していました。

たとえば自分が飼っているペットの絵を描いてもらうのはすごく難しいらしいんです。もちろん見たままを描いてもらうんですけど、飼い主にとってみたら、今まで一緒に暮らしてきた時間があるので、完成した絵を見ると、何か違う…ということがよくあるらしいんです。ペットへの想いが強いがゆえに。

結局、イメージがあってカタチのないものをカタチにする。しかも単純な400字のエピソードだけじゃなく、そこには母や父と自分との関係や、おじいちゃんやおばあちゃんとの関係性があったりするんです。それをたった400字の中から汲み取らなければならないわけで、本当に難しいと思いますね。応募者の方の想いが強いだけに。しかもこれがノンフィクションですから。こういう話があったらいいなって空想の話じゃないので、絵本になった時に、応募者の方が思っていた以上のものになっていないといけないと思うんです。作家さんとしては、この表現で受賞者の方の想いは伝えられているのか、大きな不安を持つと思いますね。

 

もう一つおもしろいのは、この作家さんに描いてもらえます、という募集ではないことです。自分の好きな作家さんに描いてもらえるなら、どんなものでも嬉しい!という人もいると思うんですけど、今回は誰がどう描いてくれるかわからない。逆に作家さんにしてみれば、全然知らない素人さんの一部分を切り取ったものを作品にして、しかも自分の名前が出るとなると、相当難しいと思います。想いが強くなる分、私のおじいちゃんはこんなんじゃない!ということもあると思うんですよね。通常は編集者さんが入って、絵と文の調整してくれるんですが、これは編集者さんがいないんですよね。本当に難しいと思います。

ドンハマ★:確かに作家さんにとっては相当のプレッシャーがあると思いますね。ただ、プロの方に描いてもらって、その作品がハードカバーになって届けられたら、受賞者の方は感激すると思いますね。少なくとも、これまで本になった12人の方は、自分の想像以上のものになったと感じているんじゃないでしょうか。その裏では作家さんが、編集者の視点も持ちつつ、エピソードを提供してくださった方に最高の喜びを感じてもらわなければならない。となると、他のすべての仕事よりもこれに集中しなければならないぐらい大変だったと思います。

第3回目の受賞作を手にしながら

ふわはね:まずは30編から10編を選ぶのに大変苦労しました。しかも順位をつけなければいけなかったので。5位と6位の違いって?となりました。そんな中で、この短いエピソードが絵本になったときにどうなるかを見たいと思ったものを選びました。そういう意味では、「プレゼント」はエピソードから大きく膨らみましたよね。そして絵の力がすごい。このまま何かのパッケージに使いたいぐらいです。

ドンハマ★:私は『くろあめ王子』の絵本を見たときに驚きました。黒あめの周りのテカリ具合など立体感も感じられて、紙に印刷されるとリアリティが出るんだなと思いましたね。

ふわはね:黒あめは味も知っているから余計に五感に訴えかけてくる感じがしますよね。

ドンハマ★:多分今回特賞の4作品の中で、もっともストレートに黒あめをフォーカスした作品ですけど、わざとらしさが感じられない。スーッと心の中に入ってくるような。

豆彦:1980年から愛されている商品なので、応募作品の多くは黒あめにまつわる懐かしい思い出のお話でした。黒あめが好きだったおじいちゃんやおばあちゃんのこと、自分のこと、などが多く寄せられました。どれも深くてやさしいエピソードなのですが、この『くろあめ王子』は特に“深いやさしさ”がじんわりと伝わってきたんですよね。映像が目に浮かぶリアリティとも相まって。

 

ふわはね:絵の力も強いんですよね。ちゃんと黒あめをなめている口になっていますもん。

ドンハマ★:おばあちゃんの黒あめをなめている顔の表情もいいですよね。これは自分で作っていないとこういうエピソードにはならないです。“ホンモノ”だからこそ心惹かれるんでしょうね。

豆彦:ただあらかじめ、この絵本は原案に基づいていますけど、作家さんによる“創作絵本”になることは了承いただいています。主人公が犬になった作品もありますしね。結果的には作品となった時に、自分の想定以上の世界が繰り広げられて、みなさんに満足いただけたようです。涙を流したという感想を送ってくださった方もいて嬉しかったです。

ドンハマ★:想定以上というと、『ハグのまほう』は作家さんのイマジネーションが広がっている作品ですよね。

豆彦:この作品に関しては、当選者さんと作家の平田さんがオンラインで話をした時に、平田さんがこのエピソードを大変気に入られて、「これはもう宇宙まで行っちゃうぐらいのスケールで考えたい(笑)」と言われたんです。そうして出来上がったのがこの世界観だったんです。

 

ふわはね:読み聞かせという点から見ると、『ハグのまほう』は一番読みやすそうかな。繰り返しがあって、ページごとに展開していくので見る方もワクワクしますし。(ここでふわはねさんの読み聞かせが自然と始まりました。)

ドンハマ★:ふわはねさんが読むとまたいいですねぇ。完成度が高い絵本なんだと思います。

ふわはね:絵本ってやっぱり声に出して読んで完成するというか…。そういう意味ではこの作品は確かに完成度が高いですね。あと、すごくストーリーの展開が考えられているんです。最初と最後がちゃんとつながっている。伏線も色々入っていて、初めは蝶々が一匹でハグのシーンをずっと見ているんでよね。それが最後にはゴリラにハグされている。めちゃくちゃ考えられているんですよ。

ドンハマ★:ちょっと私も読んでみたくなりました。
(ここでドンハマ★さんが『おはぎ』の読み聞かせが始まりました。)

 

 

ふわはね:やっぱり声に出して読むとまた違った魅力が浮き彫りになりますね!

『おはぎ』の作家の中垣さんは、普段親子をテーマにした作品を作るイメージがあまりなかったので、中垣さんの新たな魅力の発見にもなりました。あの昭和的な家の感じもいいんですよね。
「読み聞かせの会」をやりたくなりますね。これまで全12冊出来上がっていますので、月に1冊ずつ読んで1年間続くというのもいいかも。

ドンハマ★:一緒に作家さんの想いも聞けたらいいですね。編集者もデザイナーも入らず、いわば作家さんと原案者さんとだけで作る絵本。これはほぼ世の中に存在していないと思いますので、そんな中での作家さんは何を想い、どう作ったのか、ちょっと聞いて見たい気もします。

ふわはね:あと原画展もいいんじゃないでしょうか。非売品だから価値があると思う部分もあるんですけど、私としてはもっとたくさんの方に読んでもらいたいですし、見てもらいたい。それくらい素晴らしい作品ばかりだと思うんです。

豆彦:お二人にそう言っていただけると嬉しいです。ここから新たな展開も考えていけたらと思っています。

 

ドンハマ★:ところで、ずっと思い続けていたことがありまして。絵本と黒あめって似ているなと。小さい頃のなんかほっこりするエピソードと黒あめとの思い出がどこかで結びついているんです。絵本も親子で読んで、その一冊がまた自分が親になった時に子供に引き継がれていく。

私は子どもの頃に絵本を読んでもらった記憶が全くないんです。今、誰かに読んでもらうと子どものときに読んでもらったような錯覚に陥りましてね。そのシーンは私にとって一つの幸せの構図なんです。黒あめを初めてなめた人にも独特なやさしさみたいなものを感じるような気がしていて、なんか似ているんですよね。

豆彦:黒あめは“やさしい記憶のスイッチ”であって欲しいんです、その記憶が長く持続できるんじゃないかと思っています。粒が大きいですから(笑)。

ふわはね:春日井製菓さんのスイッチみたいな存在なんですね。あめも大きいですし、押しやすそう笑

ドンハマ★:ぐるぐる巻いた包装もボタンみたいですしね!

(おわり)

 

 

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